こんな尿の症状は
ありませんか？
- 笑った瞬間
- くしゃみや咳をした時
- 急に走り出した時
- 重たい荷物を持った時
などに尿が漏れてしまう
腹圧性尿失禁は女性特有の症状で多くの方がお悩みの症状です。男性の場合、前立腺手術をしていない方にはほとんど起こることがありませんが、前立腺肥大症やがんなどで前立腺手術をしている方に見られることがあります。
腹圧性尿失禁とは
腹圧性尿失禁は、女性特有の症状とされています。女性の骨盤底筋によって、膀胱と尿道を支えられ、尿道が締まることで尿漏れを起こさずに済んでいます。しかし、この骨盤底筋が弱ると、尿道が締まらず尿漏れを起こしてしまいます。腹圧性尿失禁は、くしゃみや咳をしたり、走ったり、重たい物を持ったりした瞬間に腹部に力が入り、尿漏れを起こす状態を指します。
女性の尿漏れ
女性特有の悩みとされる腹圧性尿失禁ですが、特に40歳以上の女性に多く見られます。（43.9％）ただし、女性が尿漏れで医療機関を受診する方は少なく、医療機関受診率としては、男性が27.4％である一方で女性は9.0％とされています。
（2003年 日本排尿機能学会）
腹圧性尿失禁の原因
- 妊娠・出産
- 加齢
- 更年期
- 重い荷物を運ぶ
- 便秘
- 肥満
など
腹圧性尿失禁は、女性特有の悩みであり、その主な原因として考えられるのは妊娠・出産による骨盤底筋の低下にあります。骨盤底筋が弱ると、尿道や膀胱を支える力が低下し、尿道括約筋によって尿道を締められなくなって尿漏れを起こしてしまいます。妊娠・出産は女性の骨盤底に大きな負荷がかかり、腹圧性尿失禁を起こすリスクを高めます。このため、妊娠中や産後の骨盤底筋トレーニングは非常に有効であるほか、肥満を防ぐために適度な運動を行うことで尿漏れを防ぐことができます。
腹圧性尿失禁の治し方
（治療）
腹圧性尿失禁を改善する主な治療は行動療法です。薬物療法など、有効な薬剤がないため、以下のような行動療法によって症状を改善していきます。
行動療法
骨盤底筋トレーニング
腹圧性尿失禁の症状改善には、骨盤底筋トレーニングが一番有効な治療法です。
骨盤底筋体操
膣や肛門・尿道を締めたり、緩めたりする体操を行って骨盤底筋を鍛えます。仰向けに寝た状態で、膝を立てた状態で足を肩幅程に開きます。身体の力を抜いて、膣や肛門・尿道を締める、緩めるを繰り返します。（10回程）
その次に、もっとゆっくりと膣や肛門・尿道を締める動きを行ったまま約3秒静止し、その後ゆっくりと緩める動作を行います。この動作は10回を目安に繰り返します。徐々に回数を増やしながら、毎日行うと効果が得られます。
※骨盤底筋体操は動画をご覧ください。
減量
肥満の方は腹圧性尿失禁を起こしやすく、そういう方は減量すると症状を改善できます。体重が増えてから腹圧性尿失禁の症状がある方は、減量することで失禁しなくなります。