日本泌尿器科学会総会最終日
いつも始まると、あっという間に終わるニッピ(日本泌尿器科学会)総会。各セッションごとにさまざまな個性を持ったテーマで、非常に学びが多いです。
最終日は泌尿器科学会専門医・指導医更新に必要な講習をいくつか受講しました。もっとも印象的で“刺さった”のは安宅和人さんの『残すに値する未来を考える』でした。安宅さんはLINEヤフーCSO、慶應義塾大学環境情報学部教授で、2020年に執筆された“シン・二ホン”はベストセラーとなっています。主なテーマは『AI』です。まずはAIは各分野において、すでに(数年前に)人間を超えていること。なので競うのではなく、うまく使いましょう(自動車と競争する人はいない様に)。AIは依頼した事項について高品質な提案を示します。あまりにもAIが優秀なので、それが正しいかどうか判断するためには1つの分野だけでもいいので専門的な知識を持つ必要があります(それがないとAIの言いなりに?)。つまり真の教養の時代に突入しています。すでにほとんどすべてのアプリケーションにAIが導入されていて、“AIは電気と同様のutility(実用的)”となっています。無意識のうちにAIのお世話になっているので現状です。医療機器にもAIが導入され始めていて、医療AI倫理に関する論文も急増しています。医療倫理に関しては医師が中心となって管理する必要があると思います。豊かさと少子化問題、地球温暖化と天災がもたらすレジリエンス問題についてもお話されていました。人類が乗り越えてきた氷河期に比べれば大したことはないようですが世界人口は大幅に減少するでしょう。『人類としていかに手詰まりを避けるか?』、『脱皮しない蛇は死ぬ by ニーチェ』。各個人が実現したい未来に向けて前進することが重要で、当クリニックも邁進していきます。
羽田空港行きの飛行機を待ちながら、ラウンジで最終日の感想を綴りました(写真は福岡空港)。2晩とも他施設の多くの泌尿器科医の先生方と話しました。泌尿器科の先生方はやっぱりいい人が多い気がするといつも思います。また来年の総会が楽しみです。
お読みいただきました皆様、お付き合いいただきありがとうございました。